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恐ろしい食中毒の代表とも言われる「腸管出血性大腸菌」のひとつに、O-111があります。

「O-○○○」というとO-157がよく検出されるので有名ですが、これは「ひとつではなく、たくさんある大腸菌のひとつ」というだけなのですね。

O-111の食中毒で最も有名なものは2011年、焼肉チェーン店での集団食中毒ではないでしょうか。

「5名の死者を出したユッケ事件」と言えば思い出す方も多いと思います。

このときに検出された大腸菌が「O-111」であり、日頃の生活から注意しておかなければならない食中毒のひとつなのです。

O-111がどんなものなのか、感染経路や症状、予防から対処法までを把握し、もしものときに備えておきましょう!

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O-111ってなに?O-157とは別物?

「O-111」は最初にお話した通り、「O-157」などと同じ「腸管出血性大腸菌」のひとつです。

「O-157」があまりに有名なので知られていませんが、同じ系列の大腸菌は「O-1」から「O-181」まであり、それぞれ菌の表面の抗原の種類で区別されています。

大腸菌自体は誰しもが持っているものであり、毒性が強いものではありません。

しかしその中の一部が「ベロ毒素」という毒素タンパク質を作り出す性質を持っており、これが人体に有害となるのです。

このベロ毒素を作り出す一部の大腸菌が、「O-○○○」……「腸管出血性大腸菌」という分類で分けられています。

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滅多に見ないものも多く、見る機会がある大腸菌はほんの一部、以下のタイプくらいです。

「O-1・O-18・O-26・O-104・O-111・O-128・O-157」

「O-157=腸管出血性大腸菌」と思っている方も多いのですが、実際はこんなにたくさんあったのですね。

O-111も症状が悪化するとユッケ事件の通り死亡する可能性があり、特に気をつけなければならない食中毒なのです。

O-111の感染経路

O-111に感染する可能性が最も高いのは、やはりこの大腸菌が付着した食べ物を摂取することです。

「食べ物」というとユッケのこともあり真っ先に「牛肉」が浮かぶ方が多いと思いますが、実は想像より感染する可能性がある食べ物は多いです。

  • 牛肉
  • 井戸水
  • 鹿肉
  • サラダ
  • かいわれ大根
  • キャベツ
  • 白菜漬け
  • メロン

などなど、これだけ見ると「えっじゃあどこからでも危険があるんじゃ!?」と思ってしまえる範囲でO-111の可能性はあるのですね。

一気に食べるのが怖くなった方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ「食べ物に最初からO-111が付着している可能性」は低いです。

例えば野菜などの場合は虫などの糞から表面に付着し、それを触れた手のまま食べ物を食べた場合ですね。

肉などもそもそも「肉」部分には本来O-111やO-157は存在せず、O-111が存在するのは「内蔵」です。

解体・調理時に内蔵に触れた器具などで肉に触れ、その結果O-111が付着してしまっているのですね。

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このように、感染経路のほとんどは「汚染された手・器具で大腸菌を運んでしまった結果」が多いです。

もちろん、汚染された場所や食器に食べ物を触れさせることも感染の原因になります。

こうしてみると大切なのは

  • 食器や調理器具の洗浄・消毒
  • 適切な保管方法
  • 調理時の手洗いや手袋の着用

ということが分かりますね。

O-111はほんのわずかな菌でも感染・発症の危険があるので、ちょっとした油断(一瞬触れただけだから、など)も危険です。

O-111の潜伏期間と症状は?

O-111の恐ろしいところは、潜伏期間の長さにもあります。

食べてから2~9日と期間が長く、1週間以上経ってしまっては何が原因か、どういう感染経路でかかったのかも分かりにくくなってしまうのです。

またもちろん、汚染されたものが広まっていることに気づくのにも時間がかかります。

集団感染の場合はこれも原因であることが多く、二次汚染にも気をつけておかなければならないんですね。

潜伏期間を過ぎると、下痢や腹痛などの症状が出てきます。

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下痢はどんどん悪化し、「出血性大腸菌」の名前通り血便となってきます。

このときはかなり激しい腹痛も伴い、さらに悪化すると「溶血性尿毒症症候群」「HUS」と言われる症状を引き起こします。

「溶血性尿毒症症候群」「HUS」とは、O-111の作り出すベロ毒素が腎臓の毛細血管内皮細胞を破壊し、そこを通る赤血球を破壊することで溶血(=赤血球が死んでしまう現象)が起きる症状です。

これらの影響により急性腎不全、尿毒症(=尿素やその他廃棄物が血液中に残ってしまう現象)を発症してしまい、腎臓や神経への障害を引き起こされて最悪の場合、死に至るのです。

ここまでの期間は1週間程度であることが多く、症状が現れた場合は早急に対応する必要があります。

O-111を予防する方法は何がある?

恐ろしい食中毒を引き起こすO-111ですが、予防する方法はそう難しくありません。

一般的な食中毒対策……つまり、「加熱」「消毒」で予防することは十分に可能なのです。

かつてのユッケ事件のときも、不衛生な管理や調理器具の扱いにも原因があったことが分かっています。

食中毒は

  • 「加熱・消毒」など食中毒菌を殺す対策
  • 「洗浄」などの食中毒菌をつけない対策
  • 「適切な管理など」菌を増やさない対策

が大切になってきます。

食材は新鮮なもの、賞味期限や消費期限の長いものを買い物の最後に購入し、購入後はまっすぐ帰宅して早く冷蔵庫にしまいましょう。

冷蔵庫で保管する場合もラップやビニール袋でしっかり食材を区別し、例えば肉汁などが他の食材にかからないように注意します。

調理時は手洗い、食器の洗浄や消毒を適切に行うことで感染を予防することに繋がります。

もちろん完成した料理は早く食べ、残す場合は必ずラップなどをしてから冷蔵庫などで保管するようにしましょう。

作ったあとの調理器具、食器の洗浄も大切ですね。

万が一O-111に感染した場合の対処法

もちろん感染しないように気をつけるのが一番ですが、万が一感染した場合の対処もきちんと把握しておいたほうがいざというときに困りませんよね。

何はともあれ、「感染したかも?」と思ったら速やかに医療機関を受診しましょう。

下痢が続いている場合はその回数や便の状態(血が混じっていないか、どの程度の下痢なのか)を出来ればメモに残し、お医者さんに「いつから」「どのような症状か」「原因と思われる食べ物」を伝えましょう。

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下痢が続いている場合は脱水症状の危険もありますので、どうしても水分だけは摂らなければなりません。

冷やすと胃腸を刺激してしまうので、常温のお茶や水、経口補水液などを少しずつ飲んで落ち着くのを待ちましょう。

食中毒による下痢の場合、下痢止めは絶対に飲んではいけません。

 

下痢は体内の毒素を排出するための症状なので、無理に止めてしまっては体内の毒素を排出することができなくなり、逆に身体にとって危険なのです。

特にO-111など強い食中毒の場合は下痢止めを飲むと一気に悪化する危険もあるので、絶対にやめておいてくださいね。

おむつなどを使っている子どもが感染した場合、おむつを交換する場所を決めておき、そこはこまめに消毒するようにします。

おむつ交換の際も出来ればゴム手袋などをつけ、終わった後はしっかり手洗い・消毒を行いましょう。

万が一衣類が汚れた場合はまず最初に消毒し、洗濯は家族と別々にするようにしてください。

またお風呂も湯船には浸からない、もしくは一番最後に入って、上がったあとはすぐにお湯を流すようにしておきましょう。

まとめ

O-111は怖い菌ですが、対策をきちんと行えばそもそも感染を防ぎやすい菌でもあります。

しかしちょっとした油断……例えば「バーベキューで生肉を触ったお箸を使って自分でも食べた」などで感染することもあるのです。

またどこで感染しているかも分からないですから、「生肉は食べないようにする」ももちろん大切な予防法になります。

ユッケ事件のあとも「生肉が食べられないのはつらい!」などという声も見かけましたが、それと死に至る危険もある食中毒とどちらを取るかと言われれば……結論はひとつですよね。

「特定の調理(肉に触れる、など)のときだけ気をつける」というのも油断に繋がります。

毎日の調理時から清潔に、しっかり洗浄・消毒を行いそれがくせになっていれば、事故も防げると思います。

食欲の秋、食べ物が美味しく様々なものを食べたい季節です。

安心安全に、食中毒に気をつけて食べていきたいですね!

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